世界を変える
高校生の活動に期待

たった一人で世界を動かした少女
昨年8月、スウェーデンの15歳の少女グレタ・トゥーンベリさんが、気候を守るために、二週間学校に行かずに国会前で一人で座り込みをしました。その活動は瞬く間に世界に広がり、十代の若者たちによる環境を守るためのデモ活動が各地で始まりました。
私が心を打たれたのは、2018年12月に行われた国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)での彼女のスピーチです。
「大人のみなさんは自分の子供を何よりも愛していると言いながら、その子供の目の前で彼や彼女の未来を盗んでいます」と大人を責めました。この言葉は、多くの大人に衝撃を与え、気候変動への取り組みの在り方を根底から見直す動きが世界中に広まっています。
環境問題を自分事にするために
海外では、環境保護に関するデモ活動やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みの活発化など、全世代が環境問題に関心を持っています。しかしながら日本ではまだまだ関心が低く、世界を動かすような新たな価値観を持ちにくいと感じています。全世代が環境問題に高い関心を持つ社会を創るためには、環境問題を社会全体の問題ととらえ、一人ひとりが社会のために物事を考える“社会人”であり、地球に暮らす一人であると認識しながら、未来への危機感を持って行動すべきです。

高校生の活動にこそ意味がある
若者、中でも高校生のみなさんが世界を変えようと活動することには大きな意味があります。なぜならば、環境問題はみなさんや世界の若者の将来に直結しているからです。それゆえ、みなさんが取り組むエコ活動は何であれ、地元の地域からの視点と、地球の未来をよりよくする視点との二つを持つことが大切です。これから取り組もうとする高校生は、自分の将来だけでなく、みなさんに続く次の世代の子供たちのことも忘れないで欲しいと思います。
大人たちも、活動する高校生を積極的に手伝っていきます。遠くない将来に社会を支える大人になる高校生のみなさんの真摯(しんし)な訴えと活動こそが社会をよくする源だからです。
物事の本質をとらえ、積極的に行動を
私は、高校生のみなさんが志を高く持ち、積極的に行動することで、世界は大きく変わると信じています。自分たちが今後、地球環境にどのような変化をもたらし得るのかを考えながら活動してみてください。
これまでもイオン エコワングランプリの審査員としてみなさんの活動を見てきましたが、素朴なことに疑問を持ち行動に移せる人が増えてきました。疑問から物事の本質をとらえることは、環境問題を考えるうえで非常に大切です。
当グランプリに応募するみなさんの中から、地域や日本や世界を変える環境活動家が生まれ育つことをとても楽しみにしています。
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